育児休業の社会保険料“免除要件”が変更|長期取得がメリットに

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 令和3年6月3日『改正 育児・介護休業法』が国会で成立しました。

 この法改正により【育児休業の義務化に関することが明文化】【男性版産休の創設】【育休の分割取得や申出期限の短縮】など、女性でも男性でも育児休業を取得しやすい法整備がされました。

夫婦
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育児休業にメリットがたくさんできたのは、嬉しいですね。

 しかーーし! さすがは、お金(税金)については厳しい“お国さま”。

 この改正の裏で、育児休業にかかる社会保険料の免除の抜け道を、若干残しつつも『大きな抜け道』は防いできました。

 しかも、翌日です。

 それは何かというと、令和3年6月4日『改正 全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法』が国会で成立しました。

 施行日(開始日)は令和4年10月1日です。

 今回は、この裏ワザとも言えた『大きな抜け道』がどう塞がれてしまったかについて、記載していきます。

 しっかりと学び「結局、どうするのが良いのか?」まで体型的に説明します。

 順を追ってご説明しましょうっ!

こんな人に読んでほしい

○ そもそも、タイトルの意味が理解できない方

○ 『抜け道』について知らなく、「1日だけ育休」を知らない方

○ 今回の法改正で、社会保険料“免除の要件”の変更された部分について知りたい方

○ 今後育休を取る人は、どのように取得するのが良いのか知っておきたい方



育児休業給付金の【基礎知識】について 

 育児休業を取ると、金銭面で下記のような補助が貰えることはご存知かと思います。

  • 『育児休業給付金』が貰える
  • 育休開始から6ヶ月以内(180日まで)…休業開始前の賃金 × 支給日数 × 67%
  • 育休開始から6ヶ月経過後(181日以降)…休業開始前の賃金 × 支給日数 × 50%
夫婦
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ちなみに育児休業給付金には『上限額と下限額』、『支給日数は原則30日』というルールがあります。

もっと詳しく知りたい 育児休業給付金の『上限額と下限額』

○ 支給率が67%の時の1ヶ月分の上限額は286,023円、下限額は46,431円です。

○ 支給率が50%の時の1ヶ月分の上限額は213,450円、下限額は34,650円です。

○ 賃金が約40万円を超える方のみ心配してください。

 そして、今回のとなる補助制度は、

  • 育児休業給付金は、非課税のため所得税がかからないうえ、翌年度の住民税算定額にも含まれない
  • 育休期間中の社会保険料(健康保険・厚生年金保険)、雇用保険が免除になる
  • 免除された部分については、社会保険料が全額支払われたと認められ、年金の受給額にも影響がない
  • 毎月の給与だけでなく、賞与(ボーナス)から引かれる社会保険料も免除になる
夫

ここまで詳しく知っている方は、ごく少数の方のみと思います。

 まとめると「給与の67%」+「所得税の非課税・社会保険料の免除」により、育休を取っても休業前の「約8割」は手取り収入があります

出典:厚生労働省 「育児休業給付金が引き上げられました!!」リーフレット

夫婦
夫婦

ここまで理解している方のみが使える、『お得な裏ワザ・法の抜け道』が実はあったのです。

 それが今回のタイトルにある、1日だけ育休です。

そもそも【1日だけ育休】とはなにか? 

男性会社員
男性会社員

明日、育児休暇いただきます!

お先失礼します、お疲れ様でした。

【1日経過・・・】

男性会社員
男性会社員

昨日は、育児休暇ありがとうございました!

おはようございます!(1日ぶり)

 といった感じで、育休を1日や数日のみの短期間で取る人がいます。

 特にコレ【男性】に多いんです。

 実に育休男性の81%が、短期間の取得です。

出典:厚生労働省 令和2年11月26日 第135回社会保障審議会医療保険部会 資料3

読者
読者

どうして、こんなことをするの?

 この人たちは「育児休業給付金」を目的に育休を取るのではなく、「所得税の非課税・社会保険料の免除」が目的なのです。

 本人及び家庭の税負担が軽くなるのはどうであれ、もはや本質的なものではない、子供や奥さんのためでもない育児休暇です。

 本気で育児休暇のための法律を作っている人から見れば、こういった制度の使い方に難色を示した訳です。

夫

人のための法律ですが、そもそもの法律を作っているのもまた『人』なのです。

今回【問題となった法律】はこちらです

健康保険法 第159条

 育児休業等をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、その育児休業等を開始した日の属する月からその育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、当該被保険者に関する保険料を徴収しない。

夫婦
夫婦

黄色いところが少し分かりにくいので、例えばで考えましょう。

 例えば、本日は6月25日です。

 明日、26日から5日間の育児休業を取るとしましょう。

  • その育児休業等を開始した日の属する月から…6月26日開始、つまり6月から
  • その育児休業等が終了する日の翌日が属する月…6月30日終了の翌日は7月1日、つまり7月
  • の前月までの期間…7月と見せかけて前月まで、つまり6月の期間

 の保険料を徴収しない。という訳です。

1日育休人
1日育休人

ポイントは、月末に育休を被せることです。

ぶっちゃけ、6月30日の1日だけ育休すればOK。

もっと詳しく知りたい

○ 育児休業中の社会保険料免除は、育児休業中の賃⾦は無給とされるのが通例である⼀⽅、保険料は被保険者の標準報酬月額等に基づき賦課されることから、育児休業取得者の経済的負担に配慮して設けられたものです。

○ 保険料免除期間については、「育児休業等を開始した⽇の属する⽉からその育児休業等が終了する⽇の翌⽇が属する月の前月までの期間」とされています。

この免除期間の考え⽅は現⾏の保険料徴収において、事業主や保険者の事務負担軽減の観点から、月末時点まで在職しているかどうかで、当月の保険料すべての徴収を決定する考え⽅を踏まえたものとなっています。

○ 現⾏の保険料徴収においては、例えば、退職を⾏った翌⽇を被保険者資格の喪失⽇としており、資格を喪失した場合は当⽉の保険料すべてを徴収していません。

○ したがって、⽉半ばに退職した場合は保険料は徴収されないが、⽉末に退職した場合はその翌⽉(翌⽇)が資格喪失⽇となるため、当⽉の保険料は徴収されるのです。

出典:厚生労働省 令和2年11月26日 第135回社会保障審議会医療保険部会 資料3 一部編集

 すると、なんということでしょう〜♪(BGM:劇的なリフォームのやつ)

 6月に徴収される月例給与分の所得税が非課税になり、社会保険料も免除になるのです!

 しかし、1日育休人(以下、匠という)は違います。

 そうです、6月は賞与(ボーナス)があります。

 すると、これまたなんということでしょう〜♪

 取得⽉によっては、⽉例給与分だけではなく、賞与分までも免除となるのです!

 さらには、匠が勤めている企業は「我が社の、男性の育休取得“率”は非常に高いです!」と鼻高に公表できるのです!

 きっとこれには匠の上司も、満足げなご様子です♪

 前章からの同じ厚生労働省の資料で、論より証拠です。

 特に、6月・7月の夏のボーナス、12月の冬のボーナスは突出して多いですね。

お国さま
お国さま

この、ボーナス期に育休するのは、ただの節税対策ですよね!

 と怒ってしまい、法改正に乗り出しました。

 12月の育児休業率が高いということは、必ず12月31日は育児休業を取っているということになり、もはや育休なのか年末年始の休暇なのか分かりませんから…。



今回の法律改正での【変更点】まとめ

 厚生労働省は、結論として大きく2点変更しました。

  1. 月内に2週間以上の育児休業を取得した場合には、当該月の保険料を免除する
  2. 賞与に係る保険料については、1ヶ月以上の育児休業を取得している場合に限り免除する

 なお、月末を踏めばその月の保険料は免除というのは、育児休業に限った話ではなく、事業主や保険者の事務負担軽減の観点で今回の改正では免れました。(変更なし)

 

夫婦
夫婦

さて、1.と2.について補足説明を入れていきます。

 1.については、月末を踏まない例えば20日間の育休(6月1日〜20日)の場合は、あくまで月末を踏んで保険料が免除されるためこれまでは当月の保険料は免除になっていませんでした。

 これからは、14日以上育児休業すれば、月末を踏まなくとも当該月の保険料は免除されます。

 ここの部分については、不平等感があったので良い方向に法改正されました^^

 2.については、短期間の育休取得であるほど、賞与保険料の免除を目的として育休月を選択する誘因が働きやすいため、改悪の方向になりました。

 逆に長期期間の育休促進に繋がれば、良い改正かもしれません。

 変更点をまとめると、このようになります。

出典:厚生労働省 令和2年11月26日 第135回社会保障審議会医療保険部会 資料3 一部編集

匠

6月30日や12月31日の賞与月に、1日育休を取っても仕方ないし考えを改めよう…。



【結論】どうするのが良い方法なのか?

 結論は、ケースバイケースによります。

 ポイントはなるべく、夫婦共に育児休業を取得し「パパ・ママ育休プラス」制度を活用しましょう。

 通常、子供が満1歳までの育休ところ、満1歳2ヶ月まで育休が取れます。

 よくある勘違いは、育児休業が1年と2ヶ月になる!という間違いです。

 正しくは、育児休業の期間としては1年間(子供が満1歳まで)だけど、夫か妻で時期をズラせば、子供が満1歳と2ヶ月まで、1年間の育児休業の範囲内で取得可能ですよということです。

 2ヶ月分の子供の成長は大きいですよ〜。

出典:厚生労働省 パパ・ママ育休プラス

① 経済的に余裕があり、育児休業に積極的に参加したい方

丸々1年間の育休を取りましょう。「パパ・ママ育休プラス」制度を活用してください。

② 経済的にあまり余裕はないが、育児休業に積極的に参加したい方

「パパ・ママ育休プラス」制度を軸に、180日までの育休を検討しましょう。

③ 育児休業はそこそに、節税対策をしたい

6月1日〜6月30日までまたは、12月1日〜12月31日までの1ヶ月育休を取得しましょう。

 なお、1ヶ月という数え方は施行日までの間で、別途施行規則や、厚生労働省からの省令により、今後数え方が示される可能性があります。その場合は、それに従うことになります。

 あまり、ギリギリを攻めずに“ゆとりのある育児休業”を取得すると良いでしょう。

④ 育児休業に興味はないが、会社の育休取得率に貢献をしたい

どこの月でもいいので、月末の1日のみ育休を取りましょう。なお、その月は一生懸命かつ意図的に【残業代】を稼ぐとより効果的です。

 仕事をバリバリこなしていきたいのだとは思いますが、妻に負担をかけすぎないように家での無償労働を少なくしてあげましょうね。

⑤ 育児休業を取ると会社に迷惑が・・・

そういう時代じゃありません。同調圧力に屈しないでください。

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 今回の記事はいかがでしたでしょうか?

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私たちは、断然1年間丸々の育休をオススメします。

 実は育児休業給付金は、給付金なので遅れて貰うことにはなるのですが、働いてる頃と手取り額としてはあまり変わりないのはもうお分かりですよね。

 経済的な余裕は基本的に若いうちから資産形成をしてFIREを目指している状態であれば、会社員であれ公務員であれ、お金の不安は少なくできます。

 最後までご覧いただき、ありがとうございます。

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