ついに育児休業義務化!法改正の概要と企業・管理職の責任とは

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 令和3年6月3日『改正育児・介護休業法』が国会で成立しました。

 今回の記事では、会社や企業側、上司や管理職目線で、今回の法改正の内容について記載します。

 今回の法改正で『男性版産休』を創設したとも言われ、ニュースで話題になっていますね。

 そして、ついに育休について企業側の責務として“義務”についての内容が、法律で明文化されたのです。

夫婦
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法律なので「知らなかった」では済まされません。

それでは、早速一緒にみていきましょうっ!

こんな人に読んでほしい

企業主又は、企業や会社で管理職をしている上司の方

今回の『改正育児・介護休業法』の概要及び内容を、詳しく知りたい

○ これから、育児休業を取得予定の部下がいる方

○ 今回の法改正でついに『義務化』となった内容を知りたい

 



企業側が知らないとやってしまう“違法行為”について

 これまでの『育児・介護休業法』内容の“ふりかえり”と共に、法律についてサラッと学んでいきましょう。

女性職員からの妊娠の報告について

 まずは、女性職員の妊娠を把握する必要が出てきます。

 初っ端から、センシティブな内容ですね(笑)

 できれば、女性職員からの“妊娠の報告”は、当人の仕事をコントロールするためにも早めに知っておきたいところです。

妻

実は妊娠が確定するのは意外と早く、病院で心拍確認ができる【妊娠5〜7週目頃】です。

 妊娠してから妊娠15週目までを「妊娠初期」というので、妊娠が分かるのはだいぶ早いことがお分かりですね。

 では、女性職員はいつ頃上司へ“妊娠の報告”をするのでしょうか?

 職場の風通しが良い環境であれば、妊娠が分かった段階かもしれません。

 しかし、そうでない場合は『つわり』の症状が最も辛い【妊娠8〜9週頃】かもしれません。

 妊娠5週目頃〜15週目までの約2ヶ月間も続く、女性の辛い体調の変化を助けてあげるためにも、「面談」や「人事評価」や「定期的に聞く機会」を設け、妊娠予定について聞いてみましょう。

妻

「聞くに聞けないこと」と思わず、「私も立場上、聞いておきたいのだけれど…」など前置きを添えて、しっかり把握しましょう!

 それだけ、“妊娠の報告”は企業側にとっても大切なのです。

 なぜなら企業側は、妊婦健康診査を受診するために下記の回数を確保しなければなりません。

男女雇用機会均等法 施行規則 第2条の3
  • 妊娠23週までは、4週間に1回
  • 妊娠24週から35週までは、2週間に1回
  • 妊娠36週以後出産までは、1週間に1回
  • 医師等がこれと異なる指示をした場合はその回数

 公務員の場合は「妊婦健診休暇」は有給扱いが多いですが、会社員の場合は「有給か?無休か?」は、会社の定めによりますので確認してみましょう。

妊娠中の職員へ講じる措置について

 妊娠中の女性職員に対し、企業側は『通勤緩和、勤務時間の変更、休憩・休業措置、勤務軽減など必要な措置』を講じなければなりません。

 具体的には、2つの法律によって決められています。

男女雇用機会均等法 第13条
  • 妊娠中の通勤緩和(時差通勤、勤務時間の短縮等の措置)
  • 妊娠中の休憩に関する措置(休憩時間の延長、休憩回数の増加等の措置)
  • 妊娠中又は出産後の症状等に対応する措置(作業の制限、休業等の措置)

 このあたりは、労働基準法第32条の3に規定するフレックスタイム制など、既に企業で定められている規則が必ずありますので、確認しましょう。

労働基準法
  • 重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所での業務の就業制限(法第64条の3)
  • 妊産婦が請求した場合には、妊婦の軽易業務への転換(法第65条第3項)
  • 妊産婦が請求した場合には、変形労働時間制がとられる場合であっても、1日及び1週間の法定時間を超えて労働させることはできない(法第66条第1項)
  • 妊産婦が請求した場合には、時間外労働、休日労働、又は深夜業をさせることはできない(法第66条第2項及び第3項)

 こちらは、会社に規定がなくても、契約社員・アルバイトなどの方に対しても、守らなければなりません。

これまでの<br>上司
これまでの
上司

1番上の法第64条の3以外は「妊産婦が請求した場合」だから、つまり待ってれば良いんでしょ?

 これまでは、この考えで概ね問題ありませんでした。

 しかし、今回の法改正でそのスタンスでは、調停など紛争解決援助の申出をされたり、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金を課されます。理由は後ほど。

 なお、土木・建設現場で働く女性は「女性労働基準規則第2条第1項」で、むちゃくちゃ厳しくかつ具体的に制限がありますので、妊娠が分かったら現場では働かせないのが無難です。

今回の法改正で変更された内容とは

 ここまでは主に、妊娠中までの内容を記載しました。

 ここからは、原則6週間の【産前休暇】、原則8週間の【産後休暇】、原則1年の【育児休業】について解説していきます。

【産前休暇】部分の変更点

 今回の『改正育児・介護休業法』での変更点はありません。

 これまでどおり、女性は「出産予定日の6週間前から(双子以上の場合は14週間前から)」本人が職場へ請求すれば産前休暇を取得できます。

 なお、実際の出産が予定日より遅れて産前休業が延びたとしても、産後8週間は「産後休業」として確保されます。

 これらは、『労働基準法』で定められているので変更点がないのです。

夫婦
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ちなみに、出産日は産前休業に含まれます。

【産後休暇】部分の変更点

 産後休暇は今回、大きく変更されました!

 今までは、女性のための産後原則8週間の休暇というイメージがありましたね。

 しかし今回の改正で、男性も産後休暇のような『男性版産休』が創設されました。

 『男性版産休』は以下のとおりです。【重要です】

  • 子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設(これが通称、男性版産休
  • 子の出生後8週間以内に4週間まで、休業を取得することができる
  • 上記は2回に分割して4週間まで取得できる(例:出生時から2週間+里帰りから戻るタイミングで2週間
  • もちろん、1回で4週間続けての休業でもOK

 これまでは『パパ休暇』という「妻の産後8週間以内に夫が育児休業を取得した場合、特別な事情がなくても2回目の育児休業を取得できる制度」がありましたが、それを大幅にバージョンアップさせました。

 『パパ休暇』→『男性版産休』に変更になった、と覚えるとこれまでの制度とゴチャゴチャになりませんね。

夫

ちなみに、女性は出生後8週間は【産後休暇】ですが、男性は出生後8週間であってもあくまで【育児休業】扱いですよ。



【育児休業】部分の変更点

 育児休業も大幅にアップデートされました。

 さきほどの『男性版産休』に加え、休業を取得する本人は育児休業したい1ヶ月前までに、書面にて企業側へ申請が必要でした。

 今回の改正で、休業の申出期限については、原則休業の2週間前までと短縮されました。

 申請側は柔軟に取得できて良いですが、企業側は2週間以内に仕事の引き継ぎを行わなければならないので少し大変ですね。

 また、出生後8週間以降の育児休業部分についても、分割して2回取得可能となりました。

夫婦
夫婦

少しややこしくなってきたので、いったんフローチャートをご覧ください。

厚生労働省 男性の育児休業取得促進等に関する参考資料集 より引用一部編集

夫

まぁ、私なら4回も分けて育児休業を取得するのではなく、子が1歳になるまで丸々取得しますけどね。

 また、育児休業の取得要件が緩和されました。

出典:厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内

企業管理職
企業管理職

育休申請期日が早まったり、分割取得できたり、要件緩和だったり、企業側にメリットないね…。

 確かにここまで記載した内容では、そう思うのも仕方ありません。

 しかし実は、企業側にメリットのある改正も行われました。

【企業側にメリットがある】変更点

 と、言っても1つしかありません。

 分割に取得可能となったことを逆手に取り、『たとえ職員が育児休業中でも、スポット労働させることができる』ようになりました。

夫婦
夫婦

例えば、忙しい年度末納期にどうしても人手が必要といった感じです。

 ただし条件があり、労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業することが可能です。具体的な流れは下記のとおり。

  1. 労働者が就業してもよい場合は、事業主にその条件を申し出る
  2. 事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示する
  3. 労働者が同意した範囲で就業する

 なお、就業可能日等の上限(休業期間中の労働日・所定労働時間の半分)を今後、厚生労働省令で定める予定です。



企業が負う【義務化】について

 大きく3つあります。結論から記載します。

  1. 育児休業を取得しやすい雇用環境の整備(研修、相談窓口設置等)
  2. 妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした、労働者に対する個別の周知・意向確認の措置
  3. 従業員数1,000人超の大企業は、育児休業等の取得の状況を公表することが義務付けられます。

 【施行(開始)時期:1.及び2.は令和4年4月1日から、3.は令和5年5月1日から】

出典:Yahoo!ニュースオリジナル「男性の産休」新設が決定

夫

なお、国は「事業主が労働者に対し、育児休業の取得を控えさせるような形での実施を認めない」方針でいます。厳しい。

 そもそも育休を取得するにあたり、同僚や上司、他の社員から嫌がらせの行為をされたり、制度利用を邪魔されたりする「パタニティハラスメント(パタハラ)」がある環境では問題ですよね。

 そして、“義務”なので労働者より

育休可能な人
育休可能な人

研修、相談窓口設置がされていない!

個別の周知・意向確認の措置がなかった!

結果、育休が取れなかった!

 なんて言われた日には、育児・介護休業法違反になりますので、企業側は法的処置を取られた場合は、もれなく負けることでしょう。

 今回の記事はいかがでしたでしょうか。

 主に育休取得側にメリットがある内容でしたね。

 これからも男性・女性共に育休を取りやすい法整備・職場環境がもっともっと良くなり、社会全体に明るく新しい産声が広まっていけば良いなぁと思います。

 なお、育休取得側目線での記事も、「日本人の男性の育休取得率の最新データ」を交えて記載しており、とても参考になりますのでご覧ください。

 今回、難しくてよく理解できなかった方も、育休取得者目線の記事も読めば、育休についてマスターできますよ。

 最後までご覧いただき、ありがとうございます。

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